生殖医療センターについて

生殖医療センター開設にあたり
1990年代初頭、全国的にもまだ生殖医療施設が少なかった時代には、山形県内では山形大学でしか生殖補助医療を受けられない状態にありました。体外受精・胚移植となると、庄内地方から2時間以上もかけて山形市まで出かけたり、空路で庄内空港から羽田空港まで飛んで、東京都内のクリニックを受診した方もいるような時代がありました。
それから早くも30年以上が過ぎてしまいましたが、実は当院で生殖補助医療を行うという構想は、平成14年(2002年)頃にはすでにあったのです。しかし、鶴岡市のすこやかレディースクリニックでは平成9年頃には生殖補助医療を始めておりましたので、その構想は保留となっておりました。しかし、体外受精・胚移植以外の一般的な不妊治療は続けており、何人もの子供たちが当院で生まれていることを知る人は少なくありません。
時代は移り変わり、この度、庄内唯一の生殖補助医療施設であったすこやかレディースクリニックの機能を当院に移管することとなり、日本海総合病院の生殖医療センターとして新たなスタートを切ることになりました。
産婦人科診療を考えたときに、真っ先に思い浮かぶのは、「お産」でしょう。当院は庄内地方での分娩の中心的役割を果たしてきた病院の一つではありますが、果たして、「お産」だけだったでしょうか。庄内地方に限らず、最上地方や秋田県からも癌や腫瘍の治療の為に受診する方も多くいらっしゃいました。しかし、産婦人科診療の領域はそれにとどまらず、さらに生殖医療という分野もございます。すなわち、今回新たにスタートする生殖医療も含めて産婦人科診療と言えるのではないでしょうか。そして、これらの領域は全て密接に関連しており、一つの施設で行われることが理想であり、本来の「産婦人科医の担う役割」と考えます。産婦人科領域の治療が別々の施設で行われるより、一つの施設で一連の医療として行われることは、受診される患者さんにとって、理想であり、願いではないでしょうか。
「赤ちゃんを授かりたい。」
単純にその方の手助けをする場所。それが、日本海総合病院生殖医療センターの果たす役割と考えております。
日本海総合病院 生殖医療センター長 清野 朝史





治療項目
- 一般不妊治療
- タイミング指導、経口剤による排卵誘発、注射剤による排卵誘発
人工授精(AIH)、黄体期サポート - 生殖補助医療
- 体外受精、顕微授精、胚移植、胚凍結、凍結融解胚移植
- タイミング指導
- 医師の指導のもと、排卵日を予測して性交渉のタイミングを合わせる不妊治療法。自然妊娠に近い方法で、不妊治療の第一歩
- 排卵誘発
- 排卵誘発:薬剤を使用して卵胞の発育と排卵を促進する治療法。不妊治療や妊娠率の向上を目的として行われる
- 人工授精(AIH)
- 排卵の時期に夫(パートナー)の精子を子宮内に直接注入する不妊治療法。一般不妊治療のひとつで、自然妊娠に近い形で妊娠を目指す
- 黄体期サポート
- 着床期の妊娠成立のための条件をよくするために、ホルモン剤を用いる治療
- 体外受精
- 卵子を体外に取り出して精子と受精させる不妊治療法
- 顕微授精
- 顕微鏡下でガラス製の針を使って卵子に精子を注入する受精方法
- 胚移植
- 体外受精や顕微授精で得られた受精卵(胚)を子宮に戻す不妊治療法
- 胚凍結
- 体外受精でできた受精卵(胚)を、将来移植するために凍結保存する方法
- 凍結融解胚移植
- 凍結した受精卵(胚)を着床しやすい時期に融解して子宮内に移植する方法
【診療日】
月曜日~金曜日(祝日、年末年始12/29~1/3除く)
受診するには
生殖医療センターは予約制です。
かかりつけの先生へご相談のうえ、かかりつけ医より予約をお願いします。
予約がない(初診の)場合は、当院産婦人科を受診し、必要な診療や検査を行ったうえで生殖医療センターへ紹介いたします。
その際の受付時間は平日8時~11時です。予約患者さんはこの限りではありません。
紹介状なしで受診される患者さんは、非紹介患者初診加算料として初診時7,000円をご負担いただきます。
受付方法
<初診の場合>
エントランス①へお越しください。
初診時にご用意いただくもの
- ・「マイナンバーカード(健康保険証の利用登録済のもの)」、「健康保険証」、「資格確認書」のいずれか
- ・診察券(お持ちの方)
- ・各種医療受給者証(お持ちの方)
- ・紹介状(お持ちの方)
- ・服用中の薬がわかるもの(お薬手帳、薬剤情報提供書等)
<再診の場合>
7階生殖医療センターへ直接お越しください。(再来受付機での受付は不要です。)
予約変更方法
平日14時~15時(土日祝日及び年末年始を除く)の間に生殖医療センターまでご連絡ください。
<他医療機関の主治医の先生へ>
- ①紹介の際は次のものをご準備ください。
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・診療情報提供書 ・問診票(別紙様式1、2) ・紹介患者予約連絡表(3号用紙)
問診票、紹介患者予約連絡表については下記をクリックしてください。 - ②問診票2部は患者さんが記入のうえ、診療情報提供書と一緒に当院受診日に提出するようお伝えください。
- ③電話(紹介予約直通:0234-26-5150)またはインターネット予約システム(生殖医療C枠)で予約してください。
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- ※初回受診に限ります。
- ※患者さんのご紹介方法も併せてご確認ください。
患者さんのご紹介方法については、下記をクリックしてください。
医療関係者の皆さまへ>患者さんのご紹介方法
【問い合わせ先】
生殖医療センター 0234-43-1322(直通)平日8時30分から17時15分
※平日時間及び土日祝日は 0234-26-2001(代表)となります。