泌尿器科

医師

柿﨑 弘 統括部長
日本泌尿器科学会泌尿器科専門医・泌尿器科指導医、日本透析医学会透析専門医、臨床研修指導医養成講習会修了、がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了、向精神薬の適正使用に係る研修修了
金子尚嗣 統括部長
日本泌尿器科学会泌尿器科専門医・泌尿器科指導医、日本腎臓学会腎臓専門医・認定指導医、がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
川村裕子 診療部長(兼)泌尿器科部長
日本泌尿器科学会泌尿器科専門医・泌尿器科指導医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本泌尿器科学会日本泌尿器内視鏡学会泌尿器ロボット支援手術プロクター認定制度認定、臨床研修指導医養成講習修了、がんのリハビリテーション研修修了、がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了、向精神薬の適正使用に係る研修修了
菊田雅斗 泌尿器科副科長
Certificate of daVinci System Training、第8回山形泌尿器腹腔鏡教育プログラム研修修了
大竹航太郎 泌尿器科医長
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修修了、Certificate of Robotic Observationship
堀 聡美 泌尿器科副医長
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修修了

(更新日:2024年4月1日)

主な対象疾患

 当院の泌尿器科は泌尿器科疾患と人工透析を担当しています。
 泌尿器科では腎臓、尿管、膀胱、尿道の尿路と、前立腺、精巣などの男性生殖器の疾患を扱い、そのほか腎臓周囲の副腎、後腹膜に関連した疾患も担当しています。
 人工透析は腎臓内科と泌尿器科の合同で行っています。
 シャント造設術は原則として泌尿器科で行っていますが、人工血管を使用したシャント造設術は心臓血管外科にお願いしています。

診療内容および特色

泌尿器科の主な疾患は以下のようになっています。

  • 1)尿路性器癌(多い順に前立腺癌、膀胱癌、腎癌、腎盂尿管癌、精巣癌)
  • 2)尿路結石(尿管結石、腎結石、膀胱結石)
  • 3)排尿障害、排尿異常(前立腺肥大症、神経因性膀胱、尿道狭窄、過活動膀胱)
  • 4)感染症(膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎)
  • 5)その他

 外来では前立腺癌やPSA高値で前立腺癌疑いの患者が多く外来患者の約3割を占めています。
PSA測定の普及とともに前立腺癌を疑われる患者数は増えており、年間150~200件の前立腺生検を行っています。このうち40~70%に前立腺癌が見つかります。そのほかにも他施設から前立腺癌の診断で紹介される患者なども含めると、前立腺癌と診断される新患は年間120~160名になります。前立腺癌の診断がついても治療を行わず監視療法(surveillance)を行う患者も増えましたが、多くは前立腺全摘除術、放射線治療、内分泌療法のいずれかの治療を行います。また生検で前立腺癌と診断されなかった患者でもその後のPSA値の経過観察は必要になりますので前立腺癌やPSA高値で前立腺癌疑いの患者は増加しています。
 このために平成26年から地域連携パスとして、前立腺癌内分泌療法パス、PSA 経過観察パスを立ち上げました。前立腺癌の内分泌療法を行い落ち着いている患者や前立腺癌が否定的なPSA高値の患者は原則としてかかりつけ医に紹介して治療やPSAの経過観察を行ってもらっています。専門外の開業の先生たちにも多くの患者の治療や経過観察をお願いしていますが、今まで大きな問題はなく経過しています。今後も前立腺癌患者は増加することが予想され、内分泌療法以外にも放射線治療後、前立腺全摘除術後の患者もフォローアップをお願いしています。
 令和元年春から手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ・サージカルシステム」が導入されました。当科ではロボット支援下根治的前立腺摘除術と腎部分切除術を行っています。また放射線治療の機械も更新したものが導入されており泌尿器科領域では前立腺癌の放射線治療にかなり有効な治療となっています。

 人工透析に関しては20床で月水金,火木土それぞれ2部体制で行っています。透析患者は年々増加傾向にあり、血液透析を導入した患者をすべて当院で維持透析していくことは無理ですので、近隣の本間病院、庄内余目病院に紹介しています。

特筆すべき診療実績

過去3年間の主な手術の件数です。

区 分 令和2年 令和3年 令和4年
副腎摘出術(うち鏡視下) 2件 0件 2件(2件)
経皮的腎砕石術PNL(うちECIRS) 4件 3件 6件(1件)
腎部分切除術 15件 18件 15件
根治的腎摘除術(うち鏡視下) 15件 5件(2件) 5件(0件)
腎尿管全摘術(うち鏡視下) 6件 15件(1件) 2件(0件)
経尿道的尿管結石砕石術 TUL 70件 56件 81件
膀胱全摘除術 10件 6件 11件
尿管皮膚瘻
2件 2件 2件
回腸導管
6件 3件 8件
代用膀胱
2件 1件 1件
経尿道的膀胱腫瘍切除術 TURBT 122件 129件 130件
精巣摘出術 7件 8件 22件
高位精巣摘出術(精巣癌に対する治療) 4件 4件 3件
停留精巣固定術 1件 2件 2件
経尿道的前立腺切除術 TURP 17件 13件 22件
経尿道的レーザー前立腺核出術 HoLEP 10件 9件 5件
前立腺全摘除術(うちロボット支援下) 51件(45件) 57件(52件) 62件(61件)
血液透析ブラッドアクセス手術 44件 55件 43件

ご紹介いただく際の留意事項

 手術を目的にご紹介いただく場合、あるいは手術になるかもしれない場合、抗血小板薬・抗凝固薬は休薬する必要が出てきます。当科では判断しかねることが多いですので、抗血小板薬・抗凝固薬はどういう経緯で投与されたのか、休薬しても良いのか、休薬できないのかをお知らせいただくとありがたいです。また、当院での手術数は限界に近く悪性腫瘍で2~4か月、良性疾患ではそれ以上先になることも珍しくありませんのでご了承ください。